不妊治療に健康保険適用の謎

チラッとニュースを覗き見しただけですけどね。2021年度から不妊治療に健康保険適用か、同程度の助成を行う方向だとありました。とても謎です。逆に妊娠できたときに、妊婦検診や、お産の時に自由診療なのはどうするんですか？まさかそっちは据え置きじゃないでしょうね。不妊は人それぞれの事情ですから、自由診療のスタイルを崩すべきじゃないと思うんですが・・・・

妊娠は病気じゃないと言われた昔

昭和の昔、嫁に行った多くの女性が、姑や実母に言われ続けていた言葉「妊娠は病気じゃない」。妊娠したからって家業を休むな。農作業を休むな。姑奉公を休むな。妊娠初期に安静が必要なことを思えば、きちがいの沙汰でしたが・・・子供ができない嫁は離縁されて、実家に返されていました。そんな、酷い人権侵害もありましたが・・・何かと女性側にされがちですが、男性の問題もあります。畑が良くても種がダメなら作物はできないのです。そうなら、不妊も生命に関わる病気じゃないのだから、妊娠以上に不妊など病気じゃないと言えませんかね。治療しなければ死ぬ訳じゃなし、なぜ保護されるのか意味わかりません。不妊症というれっきとした病態なのでしょうか。意地悪な言い方でしょうか。心がないでしょうか。適切じゃないと思ったら、ここで閲覧をやめてください。

ヒトも動物の一種ですから、種を保存したい（子供を持ちたい）本能があります。しかしながらヒトもその他動物も遺伝子を残せない個体があります。その個体は自然と淘汰されていきますが、種族全体としては少数なのでほとんど影響がありません。強い個体が種の保存を維持して、遺伝子が受け継がれていきます。

それをヒトに当てはめるのは非情な気もしますが、変に慰めるよりずっといいと思います。それよりも子孫を残せない個体に、無理やり生ませる訳ですから、自然妊娠できるとは限りません。

障害を持っていることがわかった時の覚悟は？

人によっては10年も不妊治療を続けていると聞きます。人情としては、10年も頑張っているんだから、五体満足、できればできの良い子が生まれてきてほしいと思います。しかし、頑張ったからコウノトリが忖度して障害のないできの良い子を届けてくれるとは限りません。先も述べましたが、妊娠できない、またはしづらい個体に無理やり生ませる訳ですから、障害を持って生まれてくるリスクは増すのではないでしょうか。治療に100万かかったとか、通算で600万とか、凄まじい額を投じられている方います。こんなにお金かけてるんだから、障害なんかあったらたまらないとか、そんな気持ちが見えてしまいます。不妊治療のゴールが妊娠になっているのです。悪いけど、ゴールはありません。子供を生んだら、その子の人生の全てに責任があります。子育てのゴールがあるとしたら、自分が死ぬ時です。正解だったか失敗だっかたわかるのはその時です。不妊治療に精出している人は、生まれた子供が障害を持っていたら、失敗だったと思うのでしょうか。

子供にかかるお金の話

子供を育てるにはお金がかかります。成長して、教育を受けさせるときが来れば、お金のかかり方が半端ないです。不妊治療で大枚を払っている人は、その後の子育てにかかるお金を前倒しで出しているのです。自然妊娠で生まれた子供でも、その後病気にかかったり、障害が発覚したりすれば親の負担は増します。そのことだけでも、妊娠するための治療に健康保険を使われる、またはそれに準じた手当てを税金から持っていかれることには抵抗があります。できないんだから諦めろとは言わないけど、少なくとも、10年やってダメなら、それダメでしょう。デリカシーがなくてごめんなさい。その人の身になってみろと言われても、3人子供がいる身には、わかりません。でも、子供にかかったお金は3人だから3倍です。世の中には事情があって親が育てられない子供がいます。そういう子供と縁組をして育てるという選択肢もあります。子供は社会の宝とも言います。そういう考えにいたるご夫婦もなくはないです。ですが、人によっては自分の血をひいてこそ子供、という考えの人もいますね。筆者もその一人ですが・・・

生き物にとって子供とは

しかし、自分の血を引いた子供を疎んじて手にかける人も一定数います。ヒトも動物。動物の世界でも育児放棄（ネグレスト）する個体もあれば、生まれた子どもを食べてしまう例もあります。動物扱いで恐縮です。子供のために我が身を犠牲にするのもまた動物の本能なのです。良い悪いではなく、そういうものです。ヒトの社会では子殺しや育児放棄は罪になりますから、そうならない、なってもごく稀であるというだけのことです。

妊娠は病気じゃないのは事実

昭和の昔でなくても、妊娠は病気じゃありません。いろいろな合併症のリスクがあるだけです。健全な夫婦が子供を持ちたいと思った時に、その結果として訪れた慶事です。授かりもの、とも言います。授からないのに無理やり要求する、身を削りお金を使って治療するのは自由です。その自由に手当てするのはおかしいと言いたいのです。