サポート切れのアプリを使うリスクを甘く見るな!

あるコミュニティでの仰天なエピソード

いつも付き合っている高齢者のコミュニティとは別のコミュニティにおじゃました。情報リテラシーがそこそこある人たちが、情報リテラシーの全くない人を相手に講座を開いている。それ自体はほのぼのしていて、とてもいい感じなのだが、あるフレーズを聞いた途端、とても気持ちがざわついて、そわそわと落ち着いていられなかった。

そのミーティングの大筋は、今般リリースされたWindows11がどんなものか?そしてZoomに関するQ&Aだった。Zoomに入れない、自分の顔が映らない、自分の声がみんなに届いていない、みんなの音声が聞こえないなど、ドタバタ劇で、初心者あるあるだな〜と思って、ほんわかとした気分で聞いていた。

Officeの話になった。Windows10と同時期にサポートが終了するOffice2016と2019。それを迎えるにあたり、Microsoft 365に移行するか、サポート期間の異常に短いOffice2021を選ぶのか、という話になった。ある初老の御仁が、しれっと言った言葉に衝撃を受けた。

「僕はOffice2007を使ってるよ。だいぶ古いけどちゃんと動くし、仕事で使ってるわけでもないから、2007でいいよ。これからもずっとこれを使うからMicrosoft365とか、関係ないよ」

そのグループの人はさらっと聞き流していたが、筆者はしばしフリーズした。

その御仁は、友人が不要だとして譲り受けた(そりゃ不要だろうよ)パッケージ版のOffice2007をずっと使っているそうだ。Office2019がサポート終了という話をしてるのに、2007かよ!

使えるんだから、何も捨てることないでしょ?

でたでた!高齢者特有のもったいない病。

アプリに限らず、全てのものには耐用年数というものがある。

ご家庭にある家電製品を見てもらいたい。製品のどこかに「使用期限」とか「耐用年数」とか書いてあるはずだ。それを過ぎた製品は部品の供給がなくなり、たとえ引っ叩いて動いたとしても、もう使えないのだ。形あるものはいつか壊れる。人間だってそう。いつかは機能停止するのだ。

形のないアプリケーションでもプログラムでも、機能やセキュリティのサポートがなくなった時点で、もう使えない。誰もがそうだとは言わないが、高齢者にとって『目に見えないものは存在しないもの』らしい。確かにOffice2010だろうが2007だろうが、パソコンにインストールしてあれば動作する。上位バージョンのアプリを一部認識しないとか、フォントの崩れが起きても、その御仁のいうように『仕事で使ってるわけじゃない』のでオーライ!なのだ。全然オーライじゃないのよ!!

パソコンで楽しく遊ぶってことは、社会的な責任を負っていることに気づけ!

今時インターネットに接続しないでパソコンを使う場面はない。マルウエアとか、サイバー犯罪を企む者が、何を狙って悪事を働くと思う?

プログラムの脆弱性をついてくるのだ。修正パッチを当ててセキュリティーホールを塞いだとしても、また別のホールを狙って次々と生まれている。その御仁が使っている、サポート期限切れのOffice2007もそうだ。こんな了見の人がいるから、サイバー犯罪の被害者が出る。その御仁、自分がその犯罪の片棒を担いでいる認識は1ミリもないと思う。

使えるんだからいいじゃない?

使えてもダメなのよ!

Follow me!

次の記事

小銭の話