小銭の話

財布を持たなくなった

買い物の支払いはクレジットカードか、ICカードになって久しい。外出の時に小銭で膨らんだ財布を持つのがイヤだからだ。財布を持たない生活に慣れたせいか、ごく稀に現金が必要な時少し慌てることがある。現金商売をしている店に入った時、カード決済ができないことがわかった時、カゴに入れた商品をそのまま返してスゴスゴと店を出ることもあった。現金が必要な時はその分だけATMでおろし、手帳やカードケースに挟んで持ち歩く。財布じゃないところから札が出てきて驚かれることもしばしば。それでお釣りをもらったはいいが、小銭入れすら持たないので、入れるところがなくて洋服のポケットに放り込む。洗濯するときにうっかりして、洗濯機から大量の小銭が発掘されることも頻発して家族に怒られる。

溜まった小銭をどうするか

自分以外の家族はきちんと財布を持っている。クレジットも併用している。しかし小銭は増えてくる。財布がパンパンになって財布から追い出して、所定の入れ物にためておく。その溜まった小銭を定期的に郵便局に預けに行くのが筆者のルーティンになっていた。自分は一切小銭が出ない生活なので、ブツブツ文句を言いながら郵便局に行き、窓口の人に申し訳なさそうに砂袋みたいな小銭の袋を差し出す。毎回結構な金額になる。スーパーで一回の買い物するに匹敵する金額の時もある。

その小銭を預けるのに手数料とるだと?

今般、郵便局では2022年1月、一定数の大量の小銭を預けるのに手数料をとるということだ。どんな罰ゲームだ?札だろうが硬貨だろうが日本銀行が発行する正式な貨幣だろうが?昨今は紙の通帳を発行するのに手数料を取る。通帳を発行するたび銀行は印紙税を払わなくてはならないので、これは何となく合点がいく。今まではその印紙税分をカバーできるくらい資金運用ができていた。しかしデフレがひどく銀行の自助努力だけでは資金運用ができなくなり、その原資を顧客からむしり取ろうとするその姿勢はどうなんだ?それなら口座を開設する顧客に通帳を発行するたびに印紙税分を負担して貰えばいい話じゃないか?どう考えても便乗してるとしか思えない。

最後の小銭

先日、手数料が発生する前に溜まった小銭を郵便局に預けに行った。金額にして500円とちょっとだった。500円玉になっていればそこそこ使えるが、5円と1円の集合体では使いようがない。スーパーで小銭で支払いをしようと一心不乱に小銭を探す高齢者が多い。小銭を意図的に貯めている人も多いだろう。50万円貯まる貯金箱なるものが流行ったこともあった。しかしこれからは、その達成された金額を預けるのに、手数料のせいで目減りすることになる。老後の糧にしようと貯めたものが行き場を失う。年明け早々、こんなことで憤りを覚える筆者は、やはり修行が足りないのだろうか。

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