それは卒業と言わない
NGT48というアイドルグループの山口さんという人が、このたびグループを脱退するそうです。
報道された、とぎれとぎれの情報によると同じグループメンバーの手引きによりファンの男に暴行され、事務所のその後の対応と、山口さんの気持ちとの間に齟齬があり、和解するに至らなかった、ということでしょうか?被害者が、これ以上グループに身をおけないということで、脱退の運びになったのでしょう。
そんなことはどうでもよくて、単に芸能人が事務所を去るのに「卒業」という言葉を使うのはよしてほしいです。
「卒業」とは、学校の全過程を修了したことを言うのであって、賞味期限の過ぎたアイドルが脱退、あるいは除籍するのとはわけが違うんです。まれに、何かの比喩で用い羅らることもあります。でも、芸能人の去就に、まるでそれが慣例のように用いられるのは、違う気がします。
アイドルグループを「卒業」するということは、事務所から必要とされなくなったか、あるいはキャリアを積むため自ら去るのだとしても、一般にいう「退職」あるいは「解雇」なのだから、前述の「卒業」とは意味が違います。「卒業」という綺麗なフレーズを以って、あまりきれいではない自らの去就を神格化したいのでしょうか。その後の芸能活動のためにそのような「過程」を「修了」したというイメージが必要なのでしょうか。
言葉は正しく使わないと、「卒業」のもつ厳かなイメージが損なわれます。