パンデミック

新型コロナウィルスの広がりはパンデミック(世界的流行)の様相を見せています。根拠のないデマゴギーで、あまり関係のなさそうな紙類、生理用品、紙オムツまで品薄状態だとか。今は、SNSがありますから、デマの広がりはあっという間です。落ち着いて考えれば、情報というのは統制されていて、世に出回った時点ではもう情報では無くなります。それこそが怖いことで、一番重要な情報を国民が知らされない、ということが普通なんです。だって、情報がそんな簡単に手に入るなら「スパイ」と呼ばれる人が暗躍するはずがないからです。本当のところはわからないけど、とりあえず政府の出した「声明」を信じて行動するしかないのです。

全国の小中学校が一斉休校になりました。子供達は突然訪れた春休みに戸惑っています。我が家の前の道路は通学路です。突然学校が休みになり、普通なら学校に備え置きの教材を休み前から少しづつ運ぶところを、両手に満杯の荷物を持ってヨタヨタ歩いているのを見かけました。共働きの親は子供を留守番させて仕事に行かなくちゃなりません。学校が休みだから学童に子供たちがシフトするようでは、感染リスクの観点では同じことです。子連れ出勤を可とする、なんていうことも言われているそうですが、子供の生活時間に仕事を合わせられるんでしょうかね?余計なことをすると、子持ちの親は思っているんでしょうか。だからといって、休校しなければしないで、文句をいうんでしょうか。

この騒動を見ていて、ある小説を思い出しました。

小松左京「復活の日」

1980年代に書かれた作品で、ロシアがまだ「ソ連」だった頃で、米ソの冷戦まっただ中だった頃のことです。うろ覚えの記憶によると、ソ連が秘密裏に開発した細菌兵器が、開発途中で盗まれました。ポットのような容器に厳重に入れて、セスナで持ち去ったのですが、そのセスナ機がアルプス山中で墜落しました。その細菌兵器は冷凍保管されていましたが、摂氏零度で爆発的な増殖を始めるのです。容器は破壊されて外界にぶちまけられました。

春になって、スペインを中心に新種の流感が流行り出し、夏にはパンデミックになり、秋には人類が死滅するというストーリーです。恐ろしい病から逃れられたのは、南極の越冬隊だけでした。アメリカのパーマー基地に国連を作り、生き延びていたのですが、アメリカ東海岸で大地震が起こり、自動報復装置(ARS)が作動して、モスクワにミサイルが発射されてしまいます。

アメリカ軍人と、日本人の地質学者の二人がホワイトハウスに向かい、ARSの作動を止めるため力を尽くしますが、失敗します。ソ連にも同じようなシステムがあり、ペンタゴンやホワイトハウスにもミサイルが飛んできます。そして、南極のパーマー基地にも飛んできて、人類は二度目の死を迎えました。

南極ソ連越冬隊の科学者が、不自由な研究施設でワクチンを開発しており、パーマー基地を脱出した人たちは南アメリカ大陸の南端あたりで野宿生活を送っていました。日本人の地質学者、吉住が生き延びていてホワイトハウスから南アメリカ大陸南端まで歩いてきました。そこで、パーマー基地脱出組と感動の再会を果たします。ストーリーはここで終わっています。

大昔に書かれたストーリーの序盤は、まさに今のような感じでした。

そうならないことを祈りたい。

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